
5月10日。
プロジェクト「Act」Tokyoのメンバー、安城、大関、大島、浜本の四人は一台の車に乗り込み、神奈川県の茅ヶ崎の各所を巡りながら「”和装カジュアル” プロジェクト」の意義や今後の方針について議論を重ねました。
まず最初に向かったのは寒川神社。
アクトは、海外に向けた和文化発信のプロジェクトを進めるに当たって、まずメンバー全員が和文化を意識的に生活の一部として身に付けることが必須だと考えています。
-――1000年という途方もない年月を掛けて醸成された和文化は、この現代にもありとあらゆる場所で息づいています。
夏に浴衣を着て、成人式や卒業式には袴や振袖を着る。
お正月には神社へ初詣に行ってお参りをする。
その神社の木々一本々々には神が宿っている、草や花の一本々々、あるいは人形や道具、時には自分の口から出る言葉にさえ魂が宿っているということを何となく信じている。
今や子どもからお年寄りまでもがPCやスマートフォンを使いこなし、毎年のようにノーベル賞受賞者を輩出する先進国中の先進国である日本。
そんな中でも古くからの伝統を受け継ぎ、神秘的な価値観を持って生きている我々日本人は、ある意味では特別な存在であると言えます。
寒川神社の次に向かったのは、茅ヶ崎漁港海岸公園。
最後は、「和装カジュアル」プロジェクトの模擬撮影。
ただ和服を身に付けるだけでなく、そのトップアイコンとなるべく、茶道や華道との組み合わせに挑戦します。
日本には古来から受け継がれて来た伝統があります。
つい二世代前まで、日常的に着物を着て、歌舞伎や能に親しみ、四季の移ろいを繊細に感じ取り自然と慣れ親しむ、ひとりひとりが文化人のように日々を過ごしてきた日本人は、より合理的で刺激的で分かりやすい大衆文化の流入、そして何より高度経済成長下の休みなく勉強や仕事に追われる日々の影響で少しずつ変わってしまいました。
しかし、経済の成長も無くなり、先人がぼんやりながらも激しく夢見ていた「豊かな日本」の姿もあらわになった今、生活の本当の豊かさについて改めて考え直す必要があるのではないかと思います。
アイデンティティを見失い、何が正しいのかの物差しを見失いつつある日本人が帰るべき場所。
それは、この日本の土、空気に染み付いた1000年の伝統ではないかとさえ考えます。